コラム
2015.07.11

価値観相対性理論?

弁護士業をやっていると、同じ法律というものさしを用いて法律紛争の解決に携わっているのに、各弁護士の価値観・評価や裁判官の価値観・評価は、各人それぞれであり、絶対正しいという価値観や評価がないことがよく分かります。

地方裁判所の民事訴訟を例にとると、各弁護士は、原告か被告の代理人になっているので、自分の依頼者の主張する事実関係やそれに基づく法律的主張を行うのは当然です。

それにしても、こちらが論理的に正しいと思っている事実関係やその評価について、相手方弁護士より、お前が言っていることは支離滅裂であって意味が不明であり、我が主張する事実関係やその評価こそが正しいのであると来ると、まあさすがに「何を言いやがる!法的感覚がおかしいんと違うか!?」と苛立ったりします。
でもそれは、訴訟までやってこじれている原告被告ですから、双方の主張する事実関係やその評価が異なるのは、当たり前と言えば当たり前なんですね。

そこで、裁判官が登場して、公平な事実認定と公平な評価をしてくれることを期待するわけですが、難儀なことに、裁判官は裁判官で、それぞれ個性を持っており、独自の価値観を持っており、独自の評価を行うわけです。もちろん、法律の許容範囲内で独自の価値観や評価を発揮するわけですが、これが原告に近いものであったり、被告に近いものであったり、あるいは原告とも被告とも異なる価値観や評価であったりするわけです。

最終的に、裁判官は判決書に、自らの認定した事実関係とその評価を記載して、判決を下すわけですが、これは我が依頼者の勝訴であったり敗訴であったりします。

裁判官の判決書を読んでも、どうも事実認定がおかしいのではないか、あるいはその法的評価がおかしいのではないか?と思われる敗訴判決書はそりゃあ出てきます。そして、高等裁判所に控訴しても、敗訴判決が覆らない場合もそりゃあ出てきます。弁護士と依頼者の価値観・評価の敗北ですね。

以上、長々と述べてきましたが、法律のものさしをもってしても、弁護士や裁判官の価値観や評価は、各人各様なのです。但し、誰かがジャッジしなければならないので、裁判官が最終的に判決書をもって判断することになりますが、その価値観・評価とて、弁護士や依頼者からすれば、どうもおかしいのではないかというものも甘受しなければならない場合もあるわけです。

これが裁判所の外の一般社会の話になってきますと、皆さんそれぞれの価値観・人生観で生活されているわけで、どの価値観・人生観が正しいなどと断定することはとうてい出来ないわけです。

そんなことは言われなくても分かってるよと言われそうですが、僕が見渡す限り、やはり価値観・人生観の相対性について、分かっている方は、いかほどなのかと疑問に思います。

結論を急ぎますと、私の価値観・人生観は必ず正しく、必ずしも正しくない。あなたの価値観・人生観も必ず正しく、必ずしも正しくない。自分の価値観や人生観を信じることはいいことだと思いますが、他人の価値観や人生観も同様に尊重しなければ矛盾でしょう。だってすべての価値観は相対的なのですから。そしてこの文章ですらそうなのだと思います。

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