コラム
2013.08.05

弁護士をやってると人間不信になる?

私はよくお客さんから、「弁護士なんて仕事をしていると人間不信になりませんか?」という質問をよく受けます。それに対しする私の答えは、「とんでもない、かえって人間の人間らしさを再認識し、より人間に対して興味を持ちます。」というものです。

そもそもそういう質問をされるお客さんは、紛争が生じるのは、そもそも当事者のどちらかが嘘をついているからであろうと思っておられるようです。確かに、紛争の中には、当事者のどちらか一方が大嘘をついていて、他方の当事者からの請求を逃れたり、他方の当事者に対して不当な請求を行おうとするものも見受けられます。しかし、裁判所でつき通せるような嘘というものはなかなかありません。裁判において、ほとんどの嘘は、矛盾を露呈し、化けの皮がはがれてしまうものです。どうせばれる嘘をついている人を法廷で見ると滑稽でもあります。

それはさておき紛争が起こる基本的なメカニズムは、ひとつまたは複数の出来事・事象その他に対する当事者の解釈・認識の違いにあります。誰も嘘はついていなくても、当事者双方の解釈・認識の違いによって、紛争はどんどん起こってくるのです。

たとえば、自動車同士の交通事故において、被害者Xが、自分の乗っていた被害車両は新車だったんだ、壊れた部分の修理には、多岐にわたる部品の交換や、修理部分とその他の部分の色の違いが出るのは嫌だから車両全体の塗装のやり直しが必要なんだと主張したとしましょう。加害者Yとしては、当然、そこまでの部品交換は必要ないし、車両の一部を破損しただけなので車両全体の塗装のやり直しまでは必要ないだろうと反論するでしょう。この事案においては、誰もうそをついていません。ただ被害車両の修理の程度について、当事者双方の認識や解釈が異なるだけです。

紛争の多くは、このようにして、誰もうそをついていなくても、出来事・事象その他に対する認識・解釈の違いにより生じてきているのです。物事を自分のいい方に解釈したいというか、してしまうのが、人間の性なのです。

しかしまた、人間には、お互い折り合いをつけて、社会において平穏に共同生活をしてゆこうという知恵もあるのです。前記の交通事故の例をとっても、X氏、Y氏が双方譲り合って、示談が成立することも大いにあり得ることでしょう。その紛争解決のお手伝いをいをするのが弁護士であったり、裁判所であったりするわけです。

ですから、弁護士をやっていても、人間不信にはなりませんし、むしろ人間の人間らしさに対するいとおしさが深まるケースだってあるのです。

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