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借金問題・債務整理

2017.06.12

個人債務者再生(個人再生)手続について

個人債務者再生(個人再生)手続とは

個人債務者再生手続とは、住宅ローンその他の債務を抱えて経済的に困窮状態にある債務者について、将来の収入等を弁済原資として、裁判所の認可を受けた再生計画に基づき債務の一部を弁済することにより、残債務を免除してもらい、経済生活の再生を図るための手続です。

従来の制度状態では、破産手続を選択せざるを得なかった債務者も、この手続を利用することによって破産を避けつつ、債務弁済の負担を軽減し、経済生活を再スタートできるという意味で、画期的な制度ということができます。個人債務者再生手続は、裁判所に申し立ててこれを行います。

個人債務者再生手続には、①小規模個人再生手続と②給与所得者等再生手続があり②は、収入金額の変動の少ない安定収入のあるサラリーマン等が利用できます。自営業者は、①の手続を利用することになります。①と②の手続の大きな違いは、再生計画の認可にあたって、債権者の決議が必要かどうかという点です。②の手続においては、債権者の決議を行わないので、債権者の意向にかかわらず、再生計画が認可されることが可能となるのです。以下、もっと詳しく述べてみましょう。

 

小規模個人再生手続について

小規模個人再生手続は、①債務者が将来継続的にまたは反復して収入を得る見込みがあり(アルバイト、パートでも可)、かつ②再生債権の総額が(住宅資金貸付債権額等を除く)が5000万円を超えない場合に申し立てることが出来ます。

債務者は、いくらの金額を、どのように分割して支払うかという再生計画案を裁判所に提出しなければなりません。再生計画案は、最低弁済基準額、すなわち再生債権の総額の5分の1または100万円のいずれか多い額以上の額を返済するものでなければなりません。

再生債権の総額の5分の1が300万円を超えるときは、弁済額は300万円でかまいません(但し、再生債権総額が3000万円を超え5000万円以下の場合は、その10分の1以上の額を弁済しなければなりませんので、弁済総額は300万円を超えることになります。)。

また、破産した場合より債権者に不利益になってはいけないので、たとえば120万円の価値がある財産を持っていれば、最低弁済額は120万円となります。

以上の基準により、たとえば最低弁済額が100万円であれば、これを原則3年間(例外的に5年間まで延長される。)で弁済する再生計画を立てなければなりません。月々の弁済額にすれば、約2万7800円が弁済できる余裕がなければならないということです。

なお、大阪地裁では、平成16年1月から、再生計画で定める弁済がきちんと出来るかどうか見極めるため、個人債務者再生の手続中、提出予定の再生計画案に定める予定の弁済月額を、申立人に実際に毎月積み立ててもらい、再生計画案提出の際、積み立てが出来ていることを示す預金通帳の写しを添付させるという運用を始めました。

このようにして、再生計画案を立案提出し、これを債権者にも提示して、債権者の決議を求めます。この決議において、不同意の回答をした債権者の数が総債権者数の半数に満たず、かつ反対をした債権者の債権額合計が、債権総額の2分の1を超えなければ、再生計画は裁判所により認可される運びとなります。

たとえば400万円の負債額の債務者が、100万円を3年間で弁済するので残額は免除してもらいたいという再生計画を提出し、これが認可されれば、残りの300万円の負債は免除されることとなります。

ただし、100万円については、再生計画通り支払っていく必要があります。

 

給与所得者等再生手続について

給与所得者等再生手続は、①上記の小規模個人再生の要件を満たす債務者で、②給与等定期的収入を得る見込みがあり、かつ③その額の変動の幅が小さいと見込まれる者が申し立てることが出来る手続です。

債務者が提出する再生計画における最低弁済額は、上記の小規模個人再生手続における要件以外に、2年分の可処分所得を上回る金額でなければならない、という要件が加重されます。

可処分所得は、債務者の収入額から政令で決められた費用等を控除して計算します(したがって、債務者の実際の可処分所得とは必ずしも一致しません。)が、たとえば1年分の可処分所得が70万円であれば、上記小規模個人再生手続によれば、最低弁済額が100万円であっても、給与所得者等再生手続を利用する限り、最低弁済額は可処分所得の2年分すなわち140万円となります。

これを原則3年間(例外的に5年まで延長される。)で弁済することについては小規模個人再生手続と同様です。

なお、大阪地裁において、再生計画で定める弁済がきちんと出来るかどうか見極めるため、個人債務者再生の手続中、提出予定の再生計画案に定める予定の弁済月額を、申立人に実際に毎月積み立ててもらい、再生計画案提出の際、積み立てが出来ていることを示す預金通帳の写しを添付させるという運用を始めたことは、小規模個人再生手続と同様です。

給与所得者等再生手続においては、債権者に対する弁済額が多くなってしまう可能性があるかわり、再生計画案については、債権者の決議を経る必要がありません。すなわち債権者が仮に再生計画に反対しても、裁判所が認める以上、再生計画は認可される運びとなります。

たとえば負債400万円のサラリーマンが、140万円を3年間で弁済するので残りの負債は免除してもらいたいという再生計画を提出し、これが裁判所で認可されれば、債権者の意向にかかわらず、残債務は免除されます。

ただし、140万円については、再生計画通り支払っていく必要があります。

住宅資金貸付債権に関する特則について

住宅資金貸付債権に関する特則とは、住宅ローンの抵当権が住宅等に設定されていて、債務者がローンの返済を遅滞し、期限の利益を喪失している(すなわち住宅ローン債務の一括返済を迫られている)ような場合、再生計画に基づいた弁済をすることで債務者が喪失した期限の利益を回復し、また例外的に所定の弁済期の繰り延べが認められる特則です。

すなわち、再生計画認可確定時までに弁済期が到来する住宅資金貸付債権の元本等を、債務者が再生計画で定める弁済期間内に弁済すれば、喪失した期限の利益を回復し、かつ、認可確定後に弁済期が到来する債権は原則として貸付契約に定められた弁済期に弁済することが出来る特則です。

すなわち、住宅ローンの延滞が起こっているような場合に、再生計画認可確定までに滞納した分を原則3年間(例外的に5年まで延長される。)で解消し、認可確定後に弁済期がやってくる住宅ローンについては、ローン契約通り支払って行きますということです。

なお、この特則においては、住宅ローンの利息や元本のカットはありませんから、住宅ローンについては全額支払いますということが原則になります。

もっとも、この特則は、債務者に住宅ローンの延滞がなければ、より問題なく利用しやすい特則となります。すなわち、住宅ローンについては、今までも、そして将来も、従来の契約どおりに支払いを継続するという内容の特別条項を付け、住宅ローン以外の一般の債務については、一定額の債務の免除をしてもらうという方法をとることももちろん可能です。

以上のような特則を利用する再生計画のことを住宅資金特別条項付再生計画と呼びますが、これは、小規模個人再生手続や給与所得者等再生手続に付加して申し立てるものです。

 

雑感

個人債務者再生手続は、手続の内容が複雑で、再生計画案の立案なども一般の方には困難である場合が多いと思われますので、この手続の申立は、弁護士に依頼されることをお勧めします。

また、個人債務者再生手続においては、負債がふくらんだ原因については、それが浪費であってもギャンブルであっても、再生計画の履行が可能である限り、原則として問題とはされません。破産申立を考えていた債務者が、免責不許可となる可能性が高いので、個人債務者再生手続申立に方針変更をするということもあります。

いずれにせよ、個人債務者再生手続は、破産とは異なり、負債を全部踏み倒すのではなく、そのうちの一部でも返済しようという手続ですから、破産申立を考えている方は、その前に、個人債務者再生手続が利用できないかどうかを検討してみる必要があります。

 

弁護士費用

個人債務者再生手続を当事務所に依頼される場合の弁護士費用についてですが、原則として着手金として21万円(消費税込・費用別)(債権者が15件までの場合)となっています。

但し、事案が複雑な案件、債権者が15件を超える場合や、住宅ローンを除く負債総額が1000万円以上ある場合には、あなたと協議の上、1万円から4万円程度着手金を加算させて頂きます。住宅ローン特別条項付き個人債務者再生手続の着手金は、原則として21万円(消費税込・費用別)(債権者が15件までの場合)となっています。

但し、事案が複雑な案件、債権者が15件を超える場合や、住宅ローンを除く負債総額が1000万円以上ある場合には、あなたと協議の上、1万円から4万円程度着手金を加算させて頂きます。

なお、分割払いについてですが、一括払いが原則ですが、それが困難な方の場合、最初に着手金額の一部(5万円から10万円程度)をお支払い頂き、残りを毎月4万円から5万円程度の分割払いでお支払い頂くことは可能です。

なお申立準備のための依頼者との打ち合わせ、申立後の裁判所に対する対応は、事務員任せではなく基本的にすべて弁護士自身が対応いたしますのでご安心ください。

また、個人債務者再生手続においては、報酬金は頂きません。

2017.06.12

破産・免責手続について

破産宣告とは

破産とは、一般的に、債務者が債務の支払が出来ず、債務の合計が資産の合計を上回っている場合(債務超過の場合)に、裁判所に申し立てて、破産開始決定を受ける手続のことを言います。

申し立てを行うのは、基本的に債務者である個人や法人であり、弁護士がその申立代理人となって、破産申立手続を行う場合が多いでしょう。申立は、破産申立書を裁判所に提出して行います。

破産申立を行うにあたって問題となるのは、同時破産廃止の手続の申立を出来るかどうかという点です。同時破産廃止とは、債務者の財産がほとんどなく、わざわざ破産管財人を選任して、資産をお金に換えて、債権者に配当する手続きを践む必要がなく、かえってこのような破産手続を進める費用すら出ない場合に、裁判所が、破産開始決定を行うと同時に、破産手続を終結させる趣旨で下す決定のことです。

破産の申立がなされると裁判所は、申立書を審査し、その上で債務者を裁判所に呼びだして、審尋(面談)を行います。但し最近では、申立書の内容を検討するだけで、特に問題がなければ審尋を行わない場合がほとんどになったようです。

以上の結果、債務者に破産原因があると認めた場合には、破産(手続)開始決定を下します。債務者に一定以上の資産がある場合には、破産管財人が選任され、その資産をお金に換え、債権者に配当する手続を開始します。資産がなく、破産管財人が選任されない場合には、同時破産廃止決定を下します。

 

免責決定とは

破産を申し立てたのが個人である場合、破産宣告を受けただけでは、債務の支払いを免れることが出来ません。破産手続の後行われる免責手続において免責決定をもらう必要があります。免責手続は、破産手続に引き続いてなされますが、一応破産手続とは別の手続で、破産者が債権者に対する債務の支払いから免れるための手続です。

免責申立がなされると裁判所は、(再び)破産者を裁判所に呼び出して、審尋(面談)を行います。但し最近では、申立書の内容を検討するだけで、特に問題がなければ審尋を行わない場合がほとんどになったようです。場合によっては、集団免責審尋(破産者が多数同室に集められ、壇上で裁判官が免責について説明したり、破産者に質問したりする審尋方式)という審尋が行われるケースもあります。

ここで注意しなければならないのは、破産者の負債が膨らんでしまった原因が、浪費やギャンブルであったりする等破産者に一定の不誠実な事由(免責不許可事由)がある場合には、裁判所は、免責の不許可決定を下す可能性が高いということです。

但し、大阪地裁においては、免責観察型の管財事件も行っているようで、ある程度重大な免責不許可事由が認められる破産者に破産管財人を付け、すなわち破産管財事件として、破産管財人が破産者の家計管理状況等を一定期間観察指導したり、例えば破産者にいくらかの金銭の積立を指示し、破産者がそれを誠実に行えば、破産管財人の意見を聞き、裁判所が免責決定を下すという運用も行っているようです。ですから、免責不許可決定が確定してしまう破産者というのは、よほど不誠実な破産者であるということができるでしょう。

免責手続において、破産者に一応免責不許可事由がみあたらない場合には、裁判所は、1ヶ月以上の期間を定めて、債権者から破産者の免責について異議を申し立てる機会を与えます。この裁判所が定めた異議申立期間内に、債権者から何らの異議が申し立てられなければ、裁判所は、破産者に対して、免責決定を下すことになります。

免責決定を得ると、破産者は、債権者らに対して負っていた債務の全部の支払いを免れることになります。但し、租税や、故意による損害賠償義務、破産者が裁判所に提出する債権者名簿に記載しなかった債務等免責の効力が及ばず、支払いをしなければならない債務がありますので注意を要します。

 

雑感

確かに破産・免責という制度は、債権者からしてみると、借金を踏み倒されるわけですから、たまったものではないでしょう。しかし、やむを得ずに出来た過大な借金の返済から債務者を解放し、人生の再スタートを切る手助けをするという意味では、実に近代的な制度であり、近代社会では不可欠の制度といえます。ただ、破産制度により保護されるのは、あくまでも誠実な債務者であり、ギャンブラーや浪費者等不誠実な債務者は保護されない場合があることは当然でしょう。

 

弁護士費用

破産(免責)申立を行う場合の弁護士費用についてですが、同時廃止となる事案については、原則として着手金として21万円(消費税込・費用別)(債権者が15件までの場合)となっております。

但し、事案が複雑な案件、債権者が15件を超える場合や、負債総額が額面上1000万円以上ある場合には、あなたと協議の上、1万円から4万円程度着手金を加算させて頂きます。破産管財事件となる事案についての着手金につきましては、個人の方の場合で、その財産規模や営業規模、債権者数、負債総額により、あなたと協議の上、20万円から30万円(消費税・費用別)の範囲で決定させていただきます。

さらに破産管財事件の場合、裁判所に納める予納金(破産管財人に引き渡す費用)として別途20万5000円から50万円程度(以上の場合あり)の費用が必要となってきます。法人の破産申立に関する弁護士費用につきましては、法律相談をお受けした上、代表者様と協議の上決定させていただきます。

なお、分割払いについてですが、弁護士費用は一括払いが原則ですが、それが困難な方の場合、最初に着手金額の一部(5万円から10万円程度)をお支払い頂き、残りを毎月4万円から5万円程度の分割払いでお支払い頂くことは可能です。

なお申立準備のための依頼者との打ち合わせ、申立後の裁判所に対する対応は、事務員任せではなく基本的にすべて弁護士自身が対応いたしますのでご安心ください。

破産(免責)申立についての報酬金は頂いておりません。

2017.06.12

任意整理(債務整理)・過払金返還について

任意整理(債務整理)とは

任意整理(債務整理)とは、債務者(代理人弁護士)が、裁判所の手続を利用するのではなく、債権者らと個別に交渉し、債務の弁済についての和解を行っていくものです。

これを行うメリットは、たとえば勤務先の会社からの借入については何の問題もなく返済が出来ているが、サラ金からの借入については、利息が高く、返済するのに無理が出てきたので、サラ金何件か分の債務についてだけ、月々の返済金額を下げてもらいたい、といった場合や、住宅ローンを抱えていて、これについては、これ以上の長期間の分割弁済の交渉の余地もないが、サラ金・信販関係の借入についてだけ、やはり月々の返済額が楽になるように交渉したいという場合などに、支払いが困難になってきた借入についてだけとりあげて、長期分割弁済の方向で話し合いをしたり出来る点です。

任意整理のデメリットとしては、あくまでも債権者と債務者(代理人弁護士)との任意の交渉であるため、条件が折り合わなければ、いつまでたっても話し合いがつかないというケースも出てきます。

また、債権者が債務者との取引履歴(貸付と返済の履歴)をすべて開示してくれなければ、話し合いが進まなかったりします。

さらに、任意整理は、裁判所の手続ではなく強制力がないので、利息を利息制限法に沿った利率で、取引の初めの分から計算し直してもらうことは出来ても、元本のカットまでは、原則的に応じてもらえません(但し、一括でまとまった金額を支払うので残りを免除してということであれば、交渉の余地はありますが・・・)。

以上のメリットやデメリットを踏まえた上で、任意整理を行う場合、債務者本人が債権者と交渉するにはやはり無理があります。弁護士に交渉を依頼しなければ、債権者もなかなか話し合いに応じてくれないことが多いので、弁護士に交渉を依頼したほうがよいでしょう。以下、債権者がサラ金業者や信販会社である場合を念頭において、交渉の流れを解説します。

弁護士が、債務者から任意整理の依頼を受けた場合、債権者らに受任通知や債権届出書を送付し、債権者らの債権額を調査します。もちろん、債権者には、債務者との取引開始時点からのすべての取引履歴(貸付と返済の履歴)を開示してもらい、利息制限法所定の利率で計算し直した場合の残債務額も提出してもらうことになります(もっとも最近では、取引履歴は開示しても、利息制限法所定の利率での再計算は、勝手に弁護士がやれという姿勢の債権者らが多くなりました。)。

一般的に当該債権者との取引が長ければ長いほど、利息制限法所定の利率で計算し直してみると、残債務額は実ははるかに安かったという結果になることが多いです。

このようにして債権者らの正確な債権額を調査したうえで、さらに弁護士は、その残債務額を金額固定してもらった上で、すなわち将来の利息が発生しないようにしてもらった上で、その固定された金額を、3年間~5年間の分割弁済にしてくれるように債権者と交渉を行います。分割弁済の期間が5年間を超えてくると、債権者も交渉に応じてくれないことが多いようです。

返済金額を固定した上で、これを3年間~5年間の分割弁済にしてもらえれば、たいていの債務者の返済の負担は、格段に楽になります。少なくとも、利息ばかりを支払って、元本がいっこうに減らないといったことはなくなるでしょう。

このように固定された金額を、長期分割にしてくれるという話が債権者との間でまとまれば、あとは和解契約書を債権者との間で締結します。任意整理の対象としたすべての債権者との間で和解契約書が締結できれば、任意整理は終了します。

なお、和解が成立した以上、和解契約書に定められたとおりに、債務者ご自身が責任を持って分割金を支払っていかなければならないことはもちろんです。

※以上は、個人の方の任意整理(債務整理)について説明したものです。法人の債務整理にはあてはまりません。

 

過払金(過払い金)の返還請求について

債務者の取引開始時点からのすべての取引履歴(貸付と返済の履歴)を開示してもらい、利息制限法所定の利率で計算し直した場合の残債務額がマイナスになる場合、債務者は、利息制限法上の利息計算によれば、お金を返済しすぎていることになります。

すなわち、今まで利息と思って支払っていた分が元本に充当されるため、元本がどんどん減っていって完済し、その後さらに支払ったために払いすぎになるのです。

このような返済しすぎのお金を過払い金(過払金)と言います。一般的に5年以上同じサラ金で借りたり返したりを繰り返していると、すでに負債は完済し、過払いになっているケースが多いといえます。

が、最近大金を借りたなどの事情があったり、返済をあまりしていなかった等の事情によっては過払いになっておらず、負債が残っているケースもあります。

仮に、利息制限法による再計算の結果、過払い金が発生している場合、その分は債権者が債務者のお金を不当に利得していることになりますから、当然そのお金の返還及びこれに対する年5パーセントの利息金を逆に請求することになります。

ただし、話し合いにより速やかに返還してもらおうとする場合、債権者から過払い金元本の8割とか9割の返還ならすぐにでも応じるが、それ以上返還せよと言うなら訴訟をしてくれと言われる場合が多いです。

このような場合は依頼者の意見を聞いた上で、過払い金元本の8,9割程度の返還で和解に応じるか、元本10割の返還及び利息金の支払いを求めて訴訟を提起するかを選択することになります。訴訟をするということになれば、よけいに費用や時間がかかりますから、元本の8,9割程度の返還で和解するケースの方が多いように思います。

 

弁護士費用

個人の方が任意整理を行う場合の弁護士費用についてですが、着手金・費用として、借入先1件あたり2万2000円(諸費用・消費税込み)となっています。報酬金については、次の額のいずれか多い方の金額によります。

(1)業者の請求額を減額させた減額額の10%+過払い金が存する場合は、業者から過払返還を受けた金額の15%の金額(消費税別)

(2)業者の請求額から利息・遅延損害金を減額させた上で、2年以上の長期分割弁済とした場合、分割総額の5%の金額(消費税別)

なお債権者らとの交渉は、事務員任せではなく基本的にすべて弁護士自身が対応いたしますのでご安心ください。

2011.08.29

最近の過払い金返還請求の状況

最近のサラ金等金融機関に対する過払い金返還請求の状況は、端的に言うと以前より時間や手間がかかるようになっています。

というのも、サラ金等金融機関は、過払い金の返還額について、まずもって交渉段階では利息を付しませんし、取引期間に空白期間があると、それぞれの取引が別取引だと主張し、10年以上経っている取引を見つけると、過払い金返還請求権が消滅時効にかかっていると主張すること等法的な主張を当然にしてきます。

さらには、自社の経営的苦境を訴え、過払い金元本額の5割程度の返還やひどい金融機関になると過払い金元本の5%程度の返還で勘弁して欲しいなどと懇願してきたりします。

返還期限においても、やはり自社の予算の都合を訴え、半年以上後の返還期限を提案してきたり、ひどい金融機関になると、長期の分割弁済を提案してきたりします。

サラ金等金融機関の担当者が有する裁量権はあまり広く認められていないようで、ある程度の返還額増額や返還期限の早期化の譲歩はするものの、それ以上は、担当者レベルではどうしようもないという返還金額や返還期限が提案されます。

かかる金融機関の提案する過払い返還金額や返還期限に応じることが出来なければ、もはや交渉から訴訟提起に方針を切り替え、やむを得ず不当利得返還請求訴訟を提起する場合があります。

訴訟ということになれば、原告側としては基本的に過払い金額全額及びこれに対する年5%の利息を請求していくことになります。

しかし、場合によっては、判決によっても年5%の利息が認められないこともありますので、早期に過払い金元本全額に近い金額が回収できるのであれば、訴訟手続中においても訴訟外または訴訟上において、サラ金等金融機関と和解することもあります。

結局のところ、交渉段階で和解できたとしても、訴訟提起後和解、判決に至ったとしても、現実に金員の返還が実現するまでには、過払い金返還請求の受任をしてから5ヶ月から半年程度の時間を要する場合が多くなったという状況です。

もっとも上記は一般論であり、金融機関によっては、もっと好条件で解決できたり、もっと悪条件の結果しか実現できない場合もあります。

2011.02.06

任意整理・個人再生・破産のメリット・デメリットについて

任意整理・個人再生手続・破産手続について、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか、以下法人ではなく個人の方を前提にまとめてみました。

 

任意整理のメリット・デメリット

任意整理のメリットは、裁判所に申し立てて行う手続ではなく、あくまでも任意の和解交渉であるため、柔軟な整理方法が選択できる点でしょう。

例えば、銀行のローンや自動車のローンは、そのまま支払い続けて、利息の高いサラ金関係だけを整理することも可能です。また、借金ができてしまった原因がギャンブルや浪費であっても、和解内容の履行が可能である限り、特に問題とはなりません。さらには、たとえ無職であって、安定収入がなくても、親族が弁済資金を用意する、退職金を弁済資金に充てる等の事情であれば、整理は可能です。

一方デメリットとしては、基本的に、負債額を利息制限法によって再計算して、それによって算出された元本額について、分割弁済なりを交渉しますので、弁済総額は、利息制限法によって再計算された元本額以下にはならないのが原則です(一括弁済を行うということであれば、例外的に元本額を割り込んでも和解が成立する場合もありますが)。

利息制限法により再計算した元本額ですら、多額で返済が困難ということであれば、個人再生や破産を検討した方がよろしいでしょう。また、任意整理は、あくまでも債権者との話し合いで和解を成立させるものですから、債権者との話し合いがつかなければ、いつまでたっても問題が解決しないというのも難点です。

 

個人再生手続のメリット・デメリット

個人再生手続のメリットとしては、やはり、負債額を大きく減額できる点にあるでしょう。

例えば、サラ金や信販会社に対する負債額が、利息制限法による再計算をしても500万円程度ある人でも、個人再生手続をとれば、100万円程度にまで負債額が減額される可能性があります。個人再生手続においては、原則として再生債権の2割か100万円のどちらか多い額を支払えばよいということになっているからです。

このように減額された負債を、3年間ないし5年間で支払えばよいわけですから、任意整理が無理でも、個人再生手続をとれば、支払いが可能になる場合が多いでしょう。

また、借金ができてしまった原因がギャンブルや浪費であっても、弁済計画の履行が可能である限り、特に問題とはなりません。

また、住宅ローン特別条項というものを利用すれば、住宅ローンだけはそのまま支払い続けて自宅不動産を保持しつつ、その他の負債を上記のように大幅カットできるのも大きなメリットです。

さらには、自営業者の方が、廃業することなく営業を継続しながら、負債額を大幅にカットできることもメリットです。

一方デメリットとしては、安定収入があることが個人再生申立の前提となりますから、現在無職で、これから就職先をさがすというような人が利用することは出来ません。

また、すべての負債を対象にしなければなりませんから、例えば勤務先から借り入れがあるという場合、勤務先も債権者に挙げなければならず、当然個人再生手続を行っていることが、勤務先に知れてしまうことになります。

また、例えば、自動車のローンは従来通り支払い続けたいと思っても、仕事で必要等の特別な事情がない限り、特別扱いすることが出来ませんので、自動車は通常ローン会社に引き揚げられてしまうということになります。

基本的に、特別扱いが認められているのは、住宅ローンだけなのです。

 

破産手続のメリット・デメリット

破産手続のメリットは、何といっても、負債が基本的に全額免除されるという点にあるでしょう。任意整理や個人再生手続のように、その後の弁済のことを考えなくてよくなるわけですから、これ以上のメリットはないと言えます。

しかし、誰でも破産を申し立てれば、負債が免除されるわけではなく、負債が増大した原因・経緯が詳しく検討されることになり、ギャンブルやブランド物の購入等浪費が原因であったり一定の不誠実な事情がある場合は、免責が不許可になる、すなわち負債は1円も免除されない場合がありますので、これがデメリットといえばデメリットでしょうか。

また、一度破産手続をとり免責決定をもらうと、破産法上その後7年間は再度の免責決定がもらえませんし、たとえ7年以上経過していても、2度目の破産申立ということになると、実際問題再度の免責決定は得にくいと思われます。基本的には、破産手続は、人生最後の切り札と考えた方が良さそうですので、これもデメリットでしょう。

また、破産手続は、ほとんどすべての財産を換価して、それを債権者らに配当する手続ですから、一定額以上の財産を有している場合、裁判所から破産管財人が選任され、その破産管財人にほとんどの財産を引き渡さなければならないことになりますので、手元に残すことが出来る財産は限られたものになるでしょう。

さらに、自営業者の人が、自営を続けながら破産手続をとりたいと思っても、裁判所からは、なかなか認めてもらえません。自営業を営んでいる場合には、何らかの営業資産があるはずで、これも換価の対象だとの認識に基づくものかと思われます。また自営業を継続しながら、負債だけを免除してもらうということでは、債権者らの納得が得られないという考慮がされているのかも知れません。

したがって、たとえさしたる営業資産が見あたらなくても、自営業者の人が破産する場合は、いったん廃業することを覚悟していただく必要があります。サラリーマンの人が破産する場合には会社を辞めなくてもよいのと比較すると、自営業者の人にとっては、かなりのデメリットになるでしょう。

 

まとめ

以上が任意整理・個人再生手続・破産手続の主なメリット・デメリットです。これらのメリット・デメリットと負債を抱える人の事情・状況を総合的に判断して、どの方法が適切かを選択することになります。

例えば、ご自分だけの判断で任意整理がよいと考えても、弁護士の目から見ると明らかに個人再生手続が適切だと判断できる場合もありますので、必ず弁護士の法律相談を受けるようにしてください。

なお、金融機関の信用情報、いわゆるブラックリストに掲載され、将来的に借り入れが困難になるという点については、任意整理・個人再生手続・破産手続のいずれを選択しても、ブラックリスト入りを覚悟していただく必要があります。

いわゆるブラックリストとは、金融機関のいわば自衛策であり、法的制裁ではありません。金融機関との当初の契約通りに支払いをしない限り、何もしなくてもブラックリストには掲載されるわけですから、これはあきらめていただくしかないと思われます。むしろ借り入れをしないで生活する工夫をしていただくことが重要と思われます。

連絡先

弁護士法人 関西はやぶさ法律事務所
〒520-0051 大津市梅林1丁目15番30号 林ビル本店2階
(JR東海道本線「大津」駅より県庁方面に徒歩5分)

tel:077-527-6835
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